もちつきうさぎもちつきうさぎ (ママ作)むかしむかし。うさぎさんがいました。 うさぎさんはいっつもおもちをついていました。うまれたときからずっとついていました。 あるとき、うさぎのおうさまが「おまえはいつもよく働いて、おいしいおもちを作ってくれるから、なんでも願いをきいてやろう。何か言ってごらん」 するともちつきうさぎは「私はもうおもちをつくのにつかれました。 これからはおもちをつかずに暮らしたいと思います」 「そうか。おまえのつくるおもちを食べれなくなるのは残念だが・・今までよく頑張ったから、願いを聞いてやろう。 そのかわり。月へいって、おもちの原料になる稲をとってきなさい。 とてもおいしいおもちができるそうだ」 「月へはどういけばいいのですか」「月がまんまるになった夜、池にうつる月に飛び込むといける。 ただ、月が細くなってくるとこちらへ帰れなくなるから、くれぐれも気をつけなさい」 「はい」 もちつきうさぎは、満月の夜、さっそくいけにとびこんで月へいきました。 月は土と石ばかりでしたが、1箇所だけ緑のところがありました。 そこに稲の穂がはえていました。 うさぎは思ったより早く見付かったので、ちょっとお昼寝をすることにしました。 ところが、それまでうさぎは、夜もねずにずっともちをつきつづけていたので、ぐっすり寝込んでしまいました。 一晩たち、二晩たってもおきません。 とうとう月が細くなって、地上に戻れなくなってしまいました。 しかたなく、うさぎは、緑のところにはえていた木をきりたおしてウスとキネをつくりました。 それから稲の穂をふやして、いっぱいお米 をとりました。 うさぎは、それまでモチをついたことしかなかったので、餅つきをすることしか思いつかなかったのです。 そうしてもちつきうさぎは、月でももちをつくことになりました。「 ボクの仕事はやっぱりこれなんだな。やめたいなんて言うんじゃなかったなあ」 一方、うさぎの王様はもちつきうさぎが戻ってこないので心配していました。 しかし、再び月がまるくなってくると、もちつきうさぎがもちをついている姿が見えるではないですか。 ああ、元気でやってるんだと安心しました。 でも、少し残念です。 だって、もちつきうさぎのつくお餅は世界で一番おいしかったんですから。ね。 2002.9 |